江戸時代の伝説的な彫刻職人・左甚五郎を主人公に、甚五郎の作品と同じ木彫りの人形を使って表現したストップモーションで描く「HIDARI」のパイロット版（本編5分33秒）。数多くの作品と逸話が残りながらも実存したかは定かではない左甚五郎について、史実を絡めながら大胆な解釈で物語として再構築した。 若く才能溢れる大工の甚五郎は、親方たちとともに江戸城改築にかかわるが、城に隠された秘密を知ったため、口封じとして他の大工や親方とともに命を狙われる。仲間を皆殺しにされ、自身も利き腕である右腕を失ってしまった甚五郎だったが、その天才的な大工の技術を用い、右腕を強力なカラクリ義手としてよみがえらせる。そして生き延びた相棒のネコとともに復讐の旅に出る。 米誌「Creativity」で「世界のクリエイター50人」にも選出された川村真司監督が、劇場用長編や配信シリーズとして作品を構想。出資を得るため、まずはパイロット版を制作した。その独創性とクオリティで注目を集め、約5分半のパイロット版としては異例の劇場公開が実現（ストップモーションアニメ「こまねこ　はじめのいっぽ」「劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX」が同時上映）。