「わたしたちの家」で国内外から注目を集めた清原惟監督が、東京郊外の街・多摩ニュータウンを舞台に、世代の異なる3人の女性それぞれの“ある日”を温かいまなざしでつづったドラマ。 高度経済成長期とともに開発され、入居開始から50年が過ぎた多摩ニュータウン。太陽の光が降り注ぐなか、公園と団地がどこまでも続くかのようなこの街には、穏やかで豊かな時間が流れている。ある春の日。誕生日を迎えた知珠は友人から届いた引っ越しハガキを頼りに、ニュータウンの入り組んだ道を歩く。ガス検針員の早苗は早朝から行方不明になった老人を捜し、大学生の夏は亡き友人が撮った写真の引換券を持って友人の母に会いに行く。それぞれの理由で街の中を移動する3人の女性たちは、街に積もり重なる記憶に触れ、知らない誰かについて思いを巡らせる。 「ふきげんな過去」の兵藤公美が知珠、「小さな声で囁いて」の大場みなみが早苗、「レジェンド&バタフライ」の見上愛が夏を演じた。2023年・第73回ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品。