大人が担うべき家事や家族の世話を日常的に行う子どもたち=「ヤングケアラー」をテーマに描いたオリジナル作品。本来享受できるはずの「子どもとしての時間」を奪われているヤングケアラーの問題、そして高齢化社会の中で避けて通れない介護の問題を通して、成長する家族の物語を描く。 みんなが進路について思い悩む高校3年生。サトは上京して演劇の世界に行くことを夢見ているが、認知症の祖母シズの介護のため、演劇部の練習を今日も早退する。サトはシズと父の3人暮らしで、大変ながらも仲良く暮らしている。シズは最近、「旅行」と言ってひとりでやたらとどこかに行きたがる。そのたびに危ないからと止めていたサトだったが、ある日、シズの長年の夢がハワイ旅行に行くことだったと知る。次第にシズの状態が悪くなってきていることから、サトは家族の最後の思い出にと、逗子で「疑似ハワイ旅行」を計画する。 「へんげ」「メイクルーム」「ミスミソウ」などで俳優として活躍し、近年は監督としても活動している森田亜紀がメガホンをとった。「17歳は止まらない」「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の片田陽依が主人公サトを演じ、映画初主演を飾った。