イランの映画監督アッバス・キアロスタミの芸術の本質に迫るドキュメンタリー映画。アンドレ・バザンの未亡人ジャニーヌ・バザンと元『カイエ・デュ・シネマ』誌の批評家アンドレ・S・ラバルトの製作するテレビ・シリーズ『我々の時代の映画作家たち』(のちに『我々の時代の映画』に改題。なおこのうち60年代の代表的作品は『現代の映画作家たち』の題で91年に草月シネマテークで特集上映された)の一編。監督は批評家出身で「天使の接吻」ほかで知られるジャン・ピエール・リモザン。全編イランで撮影され、スタッフはフランスとイランの双方の人材が顔を並べている。製作はエリザベート・マリアンジェアスとマーヴァシュ・シコレスラミ、エグゼクティヴ・プロデューサーはクザヴィエ・カルニヴォー、イラン国営映画財団“ファラビ”のアミール・エスファンディアリ、仏=独共同出資のテレビ局ラ・セット・アルテのティエリー・ガレル、INAのクロード・ギュイサール。脚本はラミン・ジャハンベグローとリモザン、インタビューはヘンガメー・パナヒとリモザンの共同。撮影はジャン・マルク・ファーブルとハッサン・キラミ、録音はシャンギズ・サヤードとハッサン・ザハド。編集はガブリエル・マンサル・ズュボヴィック、ナディーヌ・タルブーリエシュ、ソンダバー・アバディ。音楽は故ジョルジュ・ドルリュー作曲による同シリーズのオリジナル曲と、キアロスタミの監督作「トラベラー」(74)からの抜粋。出演にはキアロスタミ監督本人が自動車を運転しながらインタビューに答えるほか、監督自身の案内でその作品の出演者である「友だちのうちはどこ?」のババク・アハマドプールとアハマド・アハマドプール兄弟、「オリーブの林をぬけて」のホセイン・レザイとその妻、「トラベラー」のマスード・ザンベグレーとその妻を訪問する趣向になっている。