ドイツの名匠として知られるフォルカー・シュレンドルフ監督が、「三文オペラ」などで知られる劇作家ベルトルト・ブレヒトが20歳で書いた最初の戯曲を映画化したものの、完成から44年にわたり封印されていた幻の作品。後にニュー・ジャーマン・シネマの鬼才監督となるも37歳の若さで没するライナー・ベルナー・ファスビンダーが主演。同じく後に監督となり「ハンナ・アーレント」などを手がける女優で、シュレンドルフの妻ともなるマルガレーテ・フォン・トロッタ、ファスビンダー作品のミューズとなるハンナ・シグラが共演。ニュー・ジャーマン・シネマの若き才能が集結した作品だったが、ブレヒトの夫人の意向で上映・放送が封じられたと言われる。ブレヒト夫人の死去により権利を受け継いだ遺族が承諾したことにより、デジタルリマスター化され、2014年・第64回ベルリン国際映画祭で上映されて陽の目を見た。