ママと娼婦

ママと娼婦, 1996

8.3 1996.03.23上映
フランス フランス語 プロット 220分
無為な生活を送る男と3人の女をめぐって煮詰まっていく男女関係の修羅場を描いた長編。60年代の革命と熱狂が過ぎ去った70年代初頭のパリの空気を見事にとらえたと評され、フランス映画史上の伝説と化した一編。製作後20年を経て、日本初公開された。監督・脚本・編集(ドゥニーズ・ドゥ・カサビアンカと共同)はジャン・ユスターシュ。長編デビューに当たる本作でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を獲得したが、81年に43歳でピストル自殺した。製作は「クレールの膝」「愛の昼下がり」などのピエール・コトレル。整音はナラ・コルリーで、全編同時録音。衣裳を担当したのはユスターシュの元恋人でこの映画のモデルでもあるカトリーヌ・ガルニエで、映画自体が彼女に捧げられている。主演は「パリ・セヴェイユ」のジャン=ピエール・レオ。共演は「二重の鍵」「私のように美しい娘」のベルナデット・ラフォン。また、ユスターシュの映画狂仲間で当時演技は素人だったフランソワーズ・ルブラン、「白夜」のイザベル・ヴェンガルテン、人類学者で“シネマ・ヴェリテ”の旗手であるジャン・ルーシュらが顔をそろえ、監督のユスターシュもイザベル・ヴェンガルテンの夫役でスーパーの場面にワンカットだけ顔を出す。使用曲として、70年代当時のポピュラー曲がほとんど使用されない代わりに、オッフェン・バックやモーツァルトのクラシック音楽、マレーネ・ディートリッヒの「嘆きの天使」の主題歌やツァラ・レアンダーの歌、それにエディット・ピアフやダミアらのシャンソンが流れる。16ミリからのブローアップ。