俳優の近藤笑菜が企画・プロデュース・主演を務めた中編作品。コロナ禍の自粛期間にあった2020年、俳優として自らの無力さを痛感した近藤が、無力さを感じている当事者だからこそ作れる作品をつくろうと企画した。 新型コロナウイルスの感染拡大によって変わっていく世界のなかで、どこにでもいる姉弟が送る、1年半の日々を描いた。子どものころからの夢だったウエディングプランナーの道を歩むため、一念発起して愛知から上京した夏見富士子は、東京で働く弟・一鷹のマンションに身を寄せる。やがて念願の仕事に就くことがかない、充実した日々を送り始めた富士子。そんな折、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、ウエディング業界も大きな影響を受けてしまう。 「左様なら」「少女邂逅」などに出演してきた近藤が主人公・富士子役を務め、「すくってごらん」「猿楽町で会いましょう」などの大窪人衛が弟の一鷹を演じた。監督は短編映画や広告映像などを手がけている夏衣麻彩子、脚本は演劇サークル「Mo'xtra」で俳優・脚本家・演出家として活躍する須貝英。