主演俳優の大原海輝が原案・企画・プロデューサーを務め、コロナ禍の2年を構想と制作にあて、監督・脚本の鯨岡弘識とともに作り上げた作品。 迷走中の俳優カイは、バイトをしながら舞台の稽古に通う日々を送っていたが、その舞台は給付金目当てで計画的に中止となってしまう。カイは、彼の元ファンだという幽霊のリンと奇妙な共同生活を送っており、リンは舞台が中止になって落ち込むカイを慰める。しかし、ある日、リンは姿を消してしまう。そしてカイは、あこがれを抱く俳優の先輩であり、同時にトラウマ的な存在でもある女性アキと再会する。彼女が失くした“あるもの”を探す旅に付き合うことになったカイは、未来に向けた新たな一歩を踏み出していく。 大原自身の身に起こった、コロナ禍での婚約破棄や助成金目的の計画的舞台中止などといった出来事を背景に、等身大の人びとの成長や滑稽な恋愛模様、愛らしい人間模様の美しさをフェイクドキュメンタリー形式で描く。