演劇に初めて触れた島根県の4人の高校生と顧問の先生の奮闘を追いかけたドキュメンタリー。 全校生徒70人、島根県で最も小さな県立高校・三刀屋高校掛合分校で、4人の高校生たちが演劇を始めた。それぞれ演劇に初めて触れる4人は、対人関係が苦手、ずっと机に向かっているのも得意ではない、熱中できるものもないなど、各々が劣等感と向き合いながら、次第に演劇に打ち込んでいく。顧問の亀尾佳宏先生のもと、演目には太宰治の名作「走れメロス」を選び、意気揚々と高校演劇の地区大会に出場することにした彼らだったが、本校である三刀屋高校のレベルの高さに圧倒された上、コロナ禍で大会は無観客になってしまう。県大会への進出はかなわず、このまま誰にも見てもらえないまま終わると思った4人の青春は、しかし、予想外の方向に向かっていく。 第14回下北沢映画祭で審査員特別賞や観客賞など4部門を受賞、東京ドキュメンタリー映画祭2022入選など各地の映画祭で高い評価を獲得した。