ウクライナ紛争の背景に迫るドキュメンタリー。 2013年、ウクライナで大衆デモにより親ロシア派のヤヌコービチ大統領が追放となり、親欧米派による政権が樹立。しかし、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州では、親ロシア派の分離主義勢力とウクライナ政府の武力衝突に発展し、分離主義勢力によって14年4月にドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立が宣言される。 15年4月、分離主義勢力が支配する東部のドネツクに向かったスロバキアの写真家ユライ・ムラベツ・Jr.は、人びとに取材を敢行。戦場に参加した人、しなかった人、スパイと間違えられて拘束された人や、「プーチンに助けてほしい」と訴える人など、さまざまな声を拾い集めた。やがて16年2月、入国禁止ジャーナリストとして登録されたことでドネツクへ入れなくなったムラベツは、ウクライナ支配下の村や紛争の最前線マリウポリでウクライナ側の人びとへの取材を開始。ドネツク側とウクライナ側、双方の証言を集め、当時の記憶をたどることで紛争の本質や、人が戦争を繰り返す理由を問いただしていく。