ノーベル賞作家の短編集を原作にタビアーニ兄弟が描く、圧倒的に美しく壮大な抒情詩傑作。<もう一人の息子><月の病><甕><レクイエム>……鈴をつけられたカラスが真っ青なシチリアの空を飛び、かの地に暮らす人々の物語を結んでいく。そして、人生に疲れて故郷シチリアに戻った作者ピランデッロに、亡くなったはずの母が少女の頃の思い出を語る、まばゆいばかりに美しい<母との対話>がエピローグを飾る。