内戦下のタジキスタン共和国の首都ドゥシャンベを舞台に、モスクワ育ちで西洋風の教育を受けた娘と、タジキスタンの保守的な社会で育った青年とのぎこちなく、瑞々しい愛を綴ったラブ・ストーリー。「少年、機関車に乗る」に続く、バフティヤル・フドイナザーロフ監督の長編第2作。撮影中の92年9月に内戦が勃発し、スタッフ・キャストは戦時下という異常事態の中で撮影を敢行、その緊張感に満ちたドキュメンタルな要素と人間ドラマの融合も特色の一つ。製作は、監督とクリスタ・サレディ、堀越謙三の共同。脚本は、監督とレオニード・マフカーモフのオリジナル。撮影のゲオルギー・ザラーエフ、音楽のアフマド・バカエフ、美術のネグマト・ジュラエフら主要スタッフは前作と同様。主演はスペインの女優パウリーナ・ガルヴェスと、ドゥシャンベ出身の俳優ダレル・マジダフ。93年ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。