南米ペルーの先住民の慣習とカトリック信仰が混在した価値観を背景に、民衆の苦悩と困惑をモノクロ風の詩的な映像で描いたドラマ。ペルーの山岳部にある集落。4人の村人は家族を失った悲しみを終わらせるため、村の信仰を司る守護聖人サンティアゴを称える祭礼を計画する。守護聖人を満足させることで長年の喪から抜け出せると信じる彼らだったが、やがて思わぬ出来事が起こり、守護聖人による庇護の力と自身の信仰に疑問を抱くようになってしまう。本作が長編デビューとなるオスカル・サンチェス・サルダニャとロベルト・フルカ・モッタが監督・脚本を手がけ、オスカル・サンチェス監督の故郷であるリマ県山岳部のワンガスカルで撮影を敢行。キャストのほとんどに地元住民を起用し、ドキュメンタリー性を内包した物語として完成させた。