画家・丸木位里と丸木俊の夫妻が1980年代に手がけた大作「沖縄戦の図」の全14部を紹介するドキュメンタリー。 広島・長崎の原爆投下の惨状を全15部で描いた「原爆の図」をはじめ、「南京大虐殺の図」「アウシュビッツの図」など、その生涯で一貫して戦争の地獄絵を描き続けた丸木夫妻。最晩年には沖縄という題材に取り組み、現地に6年間通い続けて体験者の証言を聞き、地上戦の“現場”に立ちながら連作「沖縄戦の図」を完成させた。 戦争の愚かさを余すことなく伝え、地上戦を生き延びた人々の「ヌチドゥタカラ(命こそ宝)」の精神が込められた14部の絵画を通し、丸木夫妻の「人間といのち」への深い鎮魂と洞察の軌跡をたどる。監督は「大津波 3.11 未来への記憶」「天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”」などの河邑厚徳。