「私立探偵濱マイク」シリーズで知られる林海象監督が1986年に手がけた長編デビュー作で、昭和30年代頃の浅草を舞台にモノクロ&サイレントで描いた探偵ドラマ。大正7年。日本初の女優主演映画といわれる帰山教正監督作「生の輝き」よりも前に、女優・月島桜が主演した「永遠の謎」という映画があった。しかし同作は警視庁の検閲によって妨害され、ラストシーンが撮影されないまま映画史から姿を消した。時は流れ、昭和初期の東京。私立探偵・魚塚甚のもとに、月島桜と名乗る老婆から、誘拐された娘・桔梗を探して欲しいとの依頼が舞い込む。調査を進めるうち、魚塚はこの事件がまるでドラマのように出来すぎていることに気づく。佐野史郎の映画初出演&主演作。2020年12月、東京・ユーロスペースほかにて、デジタルリマスター版でリバイバル公開。