ソ連崩壊後のアルメニアとアゼルバイジャンの紛争を背景に、セリフやナレーションを一切排して牛の目線から人間の愚かさと悲しみを描いた異色のドラマ。とある村に連れられてきた1頭の牛。長引く戦火に疲れ果てた村人たちは、何も喋らない牛に憎悪の目を向け容赦なくムチを打つ。そんなある日、村に突然の終焉が訪れ……。監督・脚本を手掛けたのはアルメニアを代表する映画作家ハルチュン・ハチャトゥリアン。2009年・第22回東京国際映画祭「natural TIFF supported by TOYOTA」部門で上映。