苺とチョコレート

苺とチョコレート, 1994

7.6 1994.09.03上映
キューバ・メキシコ・スペイン合作 スペイン語 プロット 00分
同性愛者であるために祖国から追われる者と、彼に一方的に愛されて困惑する堅物の共産主義者。80年代のキューバはハバナを舞台に、偶然出会ったちぐはぐな2人の青年がやがて心を通わせ、真の友情に結ばれていく過程を描いたヒューマン・ドラマ。人種・男女・職業など、あらゆる面で差別撤廃が実施されているキューバだが、同性愛者だけは白眼視され、非難されるという。本作は若者たちの友情を通して、そうした社会の矛盾と不寛容に対する意義申し立ての主張も込められているが、ていねいにロケ撮影された普段着のハバナの町の光景と共に、作風は明るい。キューバ人作家セネル・パスの小説『森、狼そして新しい人間』(未訳)を彼自身が脚色し、92年の新ラテンアメリカ映画祭で最優秀未発表脚本賞を受賞した脚本を、キューバ映画の創始者で、現代キューバ映画界を代表する巨匠トマス・グティエレス・アレアが監督。体調を崩した彼の強い要請で、ファン・カルロス・タビオが共同監督に当たっている。エグゼクティヴ・プロデューサーはミゲル・メンドゥッサ、撮影はマリオ・ガルシア・ホヤ、音楽はホセ・マリア・ビティエル、美術はフェルナンド・オレリがそれぞれ担当。出演は舞台俳優で、初の映画出演となるホルヘ・ペルゴリア、ウラジミール・クルス、アレア監督夫人でもあるミルタ・イバラほか。94年ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)、新ラテンアメリカ映画祭作品賞・監督賞・主演男優賞・助演女優賞・大衆賞・国際批評家連盟賞・国際カトリック映画賞を受賞。