1960年代から80年代を駆け抜けた異端のマルチクリエーター、寺山修司の知られざる真実に迫ったドキュメンタリー。83年に47歳でこの世を去った寺山は演劇、映画、文学とジャンルを超えて活躍したが、残された文献や資料の中に彼の真実を見つけるのは難しく、本当の人生は未だ謎に包まれている。「演劇による革命」を標榜した寺山の演出方法は過激なことで知られ、75年には東京都杉並区一帯の30カ所で30時間にも及ぶ市街劇「ノック」をゲリラ的に敢行して世間を驚かせた。本作では数々の証言を通し、寺山の創作や思想に影響を及ぼした過去を浮かび上がらせると共に、寺山が人生の最後に計画していた幻の市街劇の存在について明らかにしていく。