日本の美意識をコンセプトに独自のスタイルを発信する服飾ブランド「matohu(まとふ)」の創作を追ったドキュメンタリー。 2005年にデザイナーの堀畑裕之と関口真希子が設立した同ブランドは、2010年より「日本の眼」というタイトルのもと、「かさね」「ふきよせ」など日本古来の美意識を表す言葉をテーマに全17章のコレクションを発表してきた。2018年、matohuは同シリーズ最後のテーマとなる「なごり」コレクションの制作に取り掛かる。堀畑と関口はアトリエで議論を繰り返しながら妥協することなくデザインを完成させ、やがてファッションショーの日を迎える。 身近な風景や物から得たインスピレーションを“ことば”に変えて服に昇華する彼らの創作の過程を丹念に捉え、日常の中に潜む美や豊かさを再発見していく。監督は「躍る旅人 能楽師・津村禮次郎の肖像」など伝統芸能がテーマのドキュメンタリーを手がけてきた三宅流。