「奇跡の海」のラース・フォン・トリアーが、アイスランドの歌手ビョークを主演に撮り上げた人間ドラマ。過酷な運命に翻弄されながらも、息子のためにすべてを投げ打つ主人公セルマの姿をミュージカルの手法を導入して描き、2000年・第53回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。その歌声を披露しながらセルマ役を熱演したビュークも女優賞を受賞した。アメリカの片田舎。チェコ移民のセルマは息子ジーンと2人暮らし。つつましい暮らしだが、隣人たちの友情に包まれ、生きがいであるミュージカルを楽しむ幸せな日々。しかし彼女には悲しい秘密があった。セルマは遺伝性の病で視力を失いつつあり、手術を受けない限りジーンも同じ運命をたどることになる。2000年の公開時は日本でも興行収入24.2億円の大ヒットを記録。2021年12月、4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開。