スペインの名匠ペドロ・アルモドバルが長年にわたってタッグを組んできたアントニオ・バンデラスを主演に迎え、自伝的要素を織り交ぜつつ描いた人間ドラマ。世界的な映画監督サルバドールは、脊椎の痛みから生きがいを見いだせなくなり、心身ともに疲れ果てていた。引退同然の生活を送る彼は、幼少時代と母親、その頃に移り住んだバレンシアの村での出来事、マドリッドでの恋と破局など、自身の過去を回想するように。そんな彼のもとに、32年前に手がけた作品の上映依頼が届く。思わぬ再会が、心を閉ざしていたサルバドールを過去へと翻らせていく。バンデラスが主人公の映画監督を繊細に演じ、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞。第92回アカデミー賞でも主演男優賞、国際長編映画賞にノミネートされた。アルモドバル作品のミューズ、ペネロペ・クルスが家族を明るく支える母親を演じる。